第12話・ラビット、バカビット

[前回までのあらすじ]
 様々な難題にぶち当たるラビット。
 同時に巻き添えをくってる海ちゃん。
 いったいなぜこうもラビは疫病神なのだろうか?
 さてさて、今回は・・・


第12話「ラビット、バカビット」

 大学1年、本州では梅雨の季節だっただろうか。
 海ちゃんは学校のパソコン室で画面を見ながらカタカタとキーボードを打ち鳴らしていた。
 その横には慣れない手つきでキーボードを打つラビの姿もあった。
「できたかい?外道君」
「う~ん、何てコメントを書こうか迷っているんだよねぇ。」
 二人はメル友探しの掲示版に自分たちの情報を登録している最中であった。
 その登録画面の中で、コメントを書く部分があったのだが、ラビはその部分を何て書こうか迷っていたのである。


--一時間後--

「なぁなぁ海く~ん。これを見てくよ。力作だぜ。素晴らしいコメントだとは思わんかね」
「どれどれ、メールの達人であるこの私が評価してしんぜよう」
 と言いつつも、たかが数行のコメントを書くのに何時間かけてんのよ!と思いながら海ちゃんは見た。

----私は北海道の大学に通っていますラビットといいます。もともとは千葉県出身なのですが、 この広大な土地に憧れ今年やってきました。なぜラビットかといいますと、私はこの緑を愛し、 草木と共に生きていくことを願っているからです。恵みの光を与えてくれる太陽に感謝し、 日々自らを成長させたいと思っています。その中で、メールを通して女神に出会える事を 切に願っております。どうぞよろしく----

「・・・・・・」
「どう?力作でしょ?」
「・・・・・・」
「ん?」
「・・・・・何じゃこりゃ?詩を応募する掲示板じゃねーぞ。もしかして僕をおちょっくてる?あいかわらず文章表現は詩人並の良さがあるよ。 だが使う場所を間違えとるわ。こんな文章で誰がメールを送ってくるかい! 顔に似合わずこんな文章書きおってからに」
「え~、いいと思うんだけどなぁ。」
 アホが!と思いつつも海ちゃんは続けた。
「いやいやおやっさん。あのねぇ・・・」
 と言いかけたその時

--ポチッ--

「ごめーん、もう登録ボタン押しちゃったよ~」
「は?」
 とぼけやがってこの大馬鹿が!と心で叫びつつも、他人事だし、まいいかと思って気を取り直した。
「登録も済んだし、じゃやろーか」
「は?何を?」
 いきなりラビが言ってきたのだが、海ちゃんは何の事だか分からなかった。
「とぼけちゃダメだよ、海くーん」
「・・・?」
 外道の分際でまた人をおちょくってるのか?身の程知らずが!と思いながらも海ちゃんは考えていたのであった。


[次回予告]
 何をほざいているのか分からないラビット。
 しかし、彼のいいたことを理解した時、海ちゃんはそれに納得する事に。
 おかげで海ちゃんにはさらなる不幸が待ち受けていた・・・
 いったいラビは何をしでかしたのであろうか?

次回「第13話 ラビット、俺じゃねーよ」にご期待下さい


※この物語は事実を元にしたノンフィクションです。

  総監督 海ちゃん



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